解体前にアスベスト建材を除去
芦屋市翠ヶ丘町有志


Home Page ! Back ! Next !

【項目】

住民の現場見学でアスベスト含有建材を発見
第2回説明会で事前除去の確約
アスベスト建材除去は終了
芦屋市との話合い


住民の現場見学でアスベスト含有建材を発見

 6月30日から7月2日まで、被災地のアスベスト対策を考えるネットワーク(被災地アスネット)の主催により芦屋市内で「アスベスト電話相談」が実施されました。倒壊した芦屋ハイツ翠ヶ丘の解体の件で、何人かの住民が電話。3人の専門家のうち、温品惇一先生が説明会に出席してくださることになりました。
 7月1日、第1回説明会。業者は、「アスベストはありません」とのこと。何でしたら現場を見てくださいということで、温品先生と何人かの住民が現場を見学しました。吹きつけはなかったものの、アスベスト含有建材を何ヶ所かで発見。階段にピータイル、エレベーター機械室の壁の一部と8階廊下天井にスレートがありました。
 7月4日朝、被災地アスネットの中地氏と周辺住民、自治会役員など約20数名で再度現場確認。中地氏によりトランクルーム壁のスレート、管理人室床のピータイルが発見されました。
 芦屋ハイツ翠ヶ丘周辺には、幼稚園や通学路があり、子どもたちがたくさん住んでいます。震災以来、毎日のようにどこかで行なわれる解体工事には住んでいる者でないとわからないすさまじいものがありました。囲いのシートなど申し訳程度にひっかかっているだけ、散水などあればマシな方でした。ものすごい粉塵が、何日も何日もまき散らされている被災地。芦屋市でもアスベスト濃度は、つねに東京都の10倍以上あるそうです。これ以上解体によるアスベストを増やしてほしくない。事前に安全な除去工事をしてほしいとの気持ちがみんなの間に高まっていました。芦屋ハイツ翠ヶ丘は巨大なマンションだけに解体期間も4ヶ月かかるというのですから、たいへんでした。

To Index !


第2回説明会で事前除去の確約

 7月7日、説明会のやり直しです。夜にもかかわらず、子どものいる母親を中心に70名が参加。業者は、「アスベストはないと言ったのは吹きつけのこと」「建材について県の指導はない」と前半で。東京から駆けつけてくださった温品先生が的確かつ明快なポイントで、短い時間を、力強く交渉問答。住民の賛同の声と拍手の盛り上がり。ついに業者より「わかりました。それほどご心配なら、建材は飛散させないように注意して、解体前に手で剥がします」と確約の言葉です。シート養生、負圧・集塵機、飛散防止剤、アスベスト濃度測定、除去した建材を特別管理廃棄物として処理するなど、吹きつけアスベストと同様の対策を講ずることになりました。
 温品先生と業者のアスベスト専門班とで、後日あらためて打ち合わせをすることを約して散会となりました。
 その後業者より温品先生に連絡があり、7月21日、業者の専門班と先生、住民、自治会、子ども会など10人あまりで打ち合わせと、現場確認が行なわれました。すでに階段はていねいにポリエチレンシートで養生されていました。専門班の方は現場をくまなく調査済みで、新たに玄関天井のスレートなどを発見していました。

To Index !


アスベスト建材除去は終了

 自治会、子ども会と業者で、アスベスト、搬入経路問題について協定書を交わす予定でした。しかしその後いかなる事情か、成立しませんでした。
 8月に入って、アスベスト除去工事が7月末日で終了したとの知らせが入ってきました。現場を見た人によると、誠意が感じられたとのことです。測定資料もあります。
 1ヶ月ほどの短期で、住民が望んでいたアスベスト除去工事はほぼ実現しました。たとえどんなかたちであったとしても、飛散しないよう対処してくれたことで、皆が安心いたしました。
 ご多忙な中を何度も東京から来てくださった温品先生には、住民一同、一方ならぬお世話になりましたことを心より感謝いたしております。またご協力くださいました被災地アスネットの皆さま、ありがとうございました。

To Index !


芦屋市との話合い

 8月なかば、市内の主婦たちが、市の環境保全の方々と話し合う機会がありました。芦屋市内で15の建物に吹きつけアスベストがあり、除去工事が完了したのは3ヶ所だけ、その他はこれからという説明でした。含有建材にも吹きつけと同様、きちんとした指導をという質問に、市では吹きつけに準じ手ばらしの指導をする気はあるが、市から働きかけてというのは実際にはむずかしいとのこと。また9つの小学校毎の測定を、という質問には、了解という返答でした。
 芦屋市には、いまだマンション関係約200棟の解体が残っています。復興復興と前へ進むことばかりをいそがずに、いちばん大切な市民の健康を守りながら、丹念な復興対策を基礎固めしてほしいものです。

To Index !


(C) Aug. 1995, Inhabitants of Midorigaoka

Mail 本記事に関するE-mailでのご質問・ご意見は、 asbestos@mxb.meshnet.or.jpにお寄せください。