解体作業従事者に深刻な粉塵暴露! | ||
渡辺 充春 |
【項目】
解体現場は健康を損なうほどの粉塵
昨年11月24日の朝日新聞社会欄の「ねっとわーく大震災」に次のような報道がされました。
中田所長らの研究グループは、5月から20回被災地を訪れ、作業員26
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この記事の元になった調査とは、昨年11月11日に京都府中小企業会館で行われた、第35回近畿産業衛生学会で、淀川勤労者厚生協会社会医学研究所の中田実所長(労働衛生専門)が演者で6名の共同発表「阪神大震災被災地区における粉塵暴露」が発表したものです。中田実先生等の調査の結果は表1の通りです。
建築物 | 作業内容 | 吸入性粉塵量(mg/m3) | 総粉塵量(mg/m3) | |
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鉄筋コンクリートビル | 重機運転 | n=6 | 0.066*−0.490 | 0.208−2.402 |
散水 | n=1 | 0.554 | 2.855 | |
手元作業 | n=5 | 0.067*−0.776 | 0.436*−2.284 | |
内装除去作業 | n=3 | 1.266−2.564 | 6.589−12.092 | |
ガードマン | n=1 | 0.200 | 2.298 | |
木造2F建アパート | 重機運転 | n=2 | 0.105−0.349 | 0.421−15.455 |
散水 | n=3 | 0.427−2.176 | 3.093−7.485 | |
手元作業 | n=2 | 0.405−0.649 | 16.507−16.912 | |
鉄筋3F建住宅 | 重機運転 | n=1 | 0.340 | 7.993 |
散水 | n=1 | 1.016 | 11.473 | |
手元作業 | n=1 | 0.108 | 9.541 | |
隣接住居敷地内 | n=1 | 0.113 | 5.989 | |
仮設住宅 | 室内 | n=3 | 0.090−0.408 | 0.216−11.512 |
非被災地区住宅 | 室内 | n=1 | 0.013 | 0.151 |
深刻な粉塵暴露
被災地アスネットは環境中のアスベストを問題にするなかで、最も危険に晒されているのは現場の作業者であることを労働基準局との交渉の中でも指摘してきたところです。この発表は、私達の指摘を具体的に示すものとなっています。
労働現場における粉塵の許容濃度は、大きくは、
粉塵の種類 | 許容濃度(mg/m3) | ||
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吸入性粉塵 | 総粉塵 | ||
第1種粉塵 | 滑石、ろう石、アルミニウム、アルミナ、 珪藻土、硫化鉱、硫化焼鉱、ベントナイト、カオリナイト 活性炭、黒鉛 | 0.5 | 2 |
第2種粉塵 | 遊離珪酸10%未満の鉱物性粉塵、酸化鉄、 カーボンブラック、石炭、酸化亜鉛、二酸 化チタン、ポートランドセメント、石炭石、 大理石、線香材料粉塵、穀粉、綿塵、木粉 革粉、コルク粉、ベークライト | 1 | 4 |
第3種粉塵 | その他の無機および有機粉塵 | 2 | 8 |
石綿粉塵 | クリソタイル、アモサイト、トレモライト アンソフィライト、アクチノライト クロシドライト | 時間荷重平均:5μm以上の石綿繊維で2繊維/cm3 (これに対応する石綿粉塵の重量濃度は0.12mg/m3) ceiling 値:5μm以上の石綿繊維で10繊維/cm3 (いかなる時も15分間の平均濃度がこの値を こえてはならない) 0.2繊維/cm3 |
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